建荷協からのお知らせ

経済産業省製造産業局 産業機械課長の年頭所感を掲載しました。

2022年01月04日

年頭所感

 

 

経済産業省製造産業局

産業機械課長 安田 篤

 

 令和4年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

 昨年は、新型コロナウイルスとの厳しい戦いを余儀なくされた1年でした。新型コロナウイルスにより健康面や生活面などで影響を受けておられる方々に心よりお見舞い申し上げます。足下では、新たに報告されたオミクロン株が多くの国で確認されるなど、新型コロナウイルスとの戦いは続いておりますが、2050年カーボンニュートラル、経済安全保障、人権デュー・ディリジェンスなど、ポストコロナの時代に向けた取組を、引き続き皆様と進めてまいりたいと思います。

 昨年10月には、第6次エネルギー基本計画を閣議決定し、2050年カーボンニュートラル、2030年度の新たな温室効果ガス排出削減目標の実現に向けたエネルギー政策の道筋を示しました。徹底した省エネルギーの推進や、再生可能エネルギーの最大限の導入、非効率石炭火力のフェードアウト、水素・アンモニア、CCUS等を活用した脱炭素型の火力への置き換えを進めるなど、この計画を実行していきます。

 新型コロナウイルスの影響もあり、リモートワーク等日常生活におけるデジタル化が幅広く浸透しました。従来の工場の人手不足や生産性向上に対応したロボット等のデジタル技術の活用のみならず、物流や小売業等でのロボット導入や、インフラ点検や離島物流、災害対応でのドローン活用など、新たな技術の活用の場が拡大しています。昨年11月には、ユーザー側がロボットを導入しやすい環境、いわゆる「ロボットフレンドリー(ロボフレ)」を実現するための取組の一つとして、経済産業省内においても、コンビニエンスストアのバックヤード作業を行うロボットを導入しました。こうした成果も活用しながら、引き続き、更なる環境整備に努めてまいります。

 米中対立の激化や新型コロナウイルスの影響で明らかになったサプライチェーン上の脆弱性に対処するため、重要な生産・技術基盤の強靱化等を通じて、我が国の自律性・技術優位性の確保を強力に進めます。特に、「産業の脳」とも言われる先端半導体の製造拠点の、我が国への立地促進に向けて、「半導体産業基盤緊急強化パッケージ」を打ち出し、他国に匹敵する形で、複数年度にわたる支援の枠組みを構築します。

 サプライチェーン全体での競争力強化を図る上では、企業間の取引適正化も重要な課題です。産業機械業界では、約束手形の利用等廃止も盛り込んだ業種別の自主行動計画の改定に御協力いただきました。この場をお借りして業界の皆様の御尽力に深く感謝を申し上げます。引き続きサプライチェーン全体で付加価値を生み出せるよう、望ましい取引習慣の遵守を宣言する「パートナーシップ構築宣言」の拡大に御協力いただくとともに、取引の適正化に向けて、幅広い業界の方々との議論を深めながら取り組んでまいりたいと思います。

 また、福島の復興は、経済産業省の最重要課題です。経済産業省では、福島県とともに、「福島イノベーション・コースト構想」の中核となる「福島ロボットテストフィールド」を拠点として、ロボットに加えて、ドローン、空飛ぶクルマといった次世代空モビリティの研究開発・実証や制度整備等を推進しております。昨年は、新型コロナウイルスの影響により延期となっていた「World Robot Summit 2020」を9月に愛知、10月に福島ロボットテストフィールドで開催いたしました。引き続き福島をロボットや次世代の空モビリティのイノベーションの中核地とすべく、取り組んでまいります。

 2025年には大阪・関西万博を迎えます。「未来社会の実験場」をコンセプトに、空飛ぶクルマの飛行実現も含めた最新の技術や、その技術を活用した、様々な課題解決の具体的事例を集めて、世界中に発信していきます。日本の、そして、世界の課題解決につながる万博のレガシーを作ることができるよう、政府のみならず、自治体や経済界と一致団結して取り組んでまいります。

 これからも皆様の現場の声をお伺いし、それを産業政策に生かしていきたいと考えております。何かお困りごとや御提案などがございましたら、どうぞお気軽にお声を掛けてください。

 本年が、皆様にとって更なる飛躍の1年となることを祈念いたしまして、新年の御挨拶とさせていただきます。