年頭所感
明けましておめでとうございます。皆様方におかれましては、日頃より労働災害の減少に向けた行政施策の推進に御理解、御協力をいただき、厚く御礼申し上げます。
本年4月には、第13次労働災害止計画の4年度目を迎えます。本計画期間において、労働災害による死亡者数は継続して減少しているものの、休業4日以上の死傷者数は減少の兆しが見られておりません。特に近年は、高年齢労働者の労働災害、転倒による労働災害が増加しております。
本計画で掲げる休業4日以上の死傷者数を平成29年比で5%以上減少させるという目標の達成には、労働災害発生状況を踏まえた対策が求められております。
高年齢労働者の労働災害については、高年齢労働者が安心して安全に働ける職場環境の実現のため、昨年3月に策定したエイジフレンドリーガイドラインに基づく取組を推進するとともに、令和2年度から中小企業による高年齢労働者の安全・健康確保措置への支援(エイジフレンドリー補助金)を行ってまいりました。本年も引き続き、これらの取組を実施し、更なる普及・啓発に努めてまいります。
転倒による労働災害については、特に高齢の女性で被災が多くなっています。また、積雪のある地域では、特に冬季に多く発生しています。「STOP! 転倒災害プロジェクト」の実施要綱に基づく、視聴覚教材の活用、転倒危険箇所の明示、高齢の女性労働者への配慮、冬季における防止対策などを推進してまいります。
また、車両系建設機械及び荷役運搬機械等の特定自主検査の対象となる機械を起因物とする労働災害も多く発生しております。これら機械での労働災害を減少させるためには、現場での安全な作業が行われることが重要であることは言うまでもありませんが、その前提として、機械を安全に使用できるよう適切に検査・整備がなされている必要があります。貴協会並びに会員事業者の皆様におかれては、引き続き適切な特定自主検査の実施に努めていただくようお願いします。
最後に、労働災害を減少させるためには、皆様のたゆまぬ継続的な安全活動が重要です。厚生労働省では、皆様の安全に対する取組を最大限支援してまいりますので、今年も一年、どうぞよろしくお願いいたします。