荷役運搬機械と建設機械は、労働安全衛生法により定期(特定)自主検査が義務づけられています。
特定自主検査とは
車両系荷役運搬機械、車両系建設機械及び高所作業車については、労働安全衛生法により、事業者は1年を超えない期間ごとに1回(ただし不整地運搬車は2年を超えない期間ごとに1回)、定期に、有資格者による自主検査を実施しなければなりません 。この定期自主検査(年次検査)のことを特定自主検査【特自検】といいます。人間でいうなら年に一度の【人間ドック】や【健康診断】と同じです。
■ どんな検査を行うのか
検査は、各機械ごとに定められた検査事項について実施し、結果を記録することになっています。
[労働安全衛生規則 第151条の21、、第151条の53、第167条、第194条の23]
■ 検査する人は
法令で定められた資格を有する検査者、または登録検査業者のいずれかによって特定自主検査を実施することになっています。
[労働安全衛生法 第45条第2項、第54条の3、第54条の4]
■ 検査の記録は
検査の結果は、所定の特定自主検査記録表(チェックリスト)に次の事項を記録して、3年間保存しなければなりません 。
- 検査年月日
検査方法
検査箇所 -
検査結果
検査実施者名
検査結果の措置内容
[労働安全衛生規則 第151条の23、第151条の55、第169条、第194条の25]
協会では記録表の用紙を主要機械別に作成し、支部を通じて頒布しています。
法定検査機器
事業者(ユーザー)からの依頼によリ特定自主 検査を実施する登録検査業者は、次に示す検査機器を最低1セット以上保有することが、法律で決められています。
-
1 圧縮圧力計
2 回転計
3 シックネスゲージ
4 油圧計 -
5 電圧計
6 電流計
7 探傷器
8 摩耗ゲージ
■ 異常があった場合は
事業者は検査の結果、異常を認めた場合は直ちに補修などを行い、正常な状態に修復させ、その他必要な措置をとらなければなりません。
[労働安全衛生規則 第151条の26、第151条の58、第171条、第194条の28]
■ 検査済機械には
事業者は検査が済んだ機械には、見やすい箇所(運転席の付近など)に検査を実施した年月を明らかにする標章(ステッカー)を貼付しなければなりません
[労働安全衛生規則 第151条の24第5項、第151条の56第5項、第169条の 2第8項、第194条の26第5項]
協会では特定自主検査等の標章類を発行・管理するとともに、支部を通じて頒布しています。
■ 検査や必要な措置を怠ったときは
罰則 (50万円以下の罰金等)が適用されます。
[労働安全衛生法 第119条、第120条、第122条]
特自検は働く機械の健康診断です!
特定自主検査の対象機械について
特定自主検査の対象機械とは
特定自主検査の対象機械は労働安全衛生法(以下「安衛法」という。)第45条第2項に定められた機械等で、安衛法施行令第15条第1項「定期に自主検査を行うべき機械等」により、同法施行令第13条第12号(動力により駆動されるプレス機械)、第8号、第9号、第33号および第34号になります。
建荷協が普及・促進する特定自主検査の対象機械
このうち、公益社団法人 建設荷役車両安全技術協会では、フォークリフト、不整地運搬車、高所作業車(作業床の高さが2メートル以上の高所作業車)及び同法施行令別表第7で掲げる建設機械(動力を用い、かつ、不特定の場所に自走出来るもの)で、いわゆる以下の「建設荷役車両」の特定自主検査の普及・促進を行っています。
特定自主検査対象機械かどうか判断が困難な場合
上記、対象機械に似た構造、機能を持つ機械の場合、その機械が対象機械となるのか判断が難しい場合があります。そういった場合は最寄の労働局へご確認下さい。